古代への旅
人面装飾付き有孔鍔付土器出土

●人面装飾付き有孔鍔付土器出土

 このほど大野遺跡(大桑村大字長野、大野地区)B地区、22号竪穴住居跡内の覆土下層から、「人面装飾付き有孔鍔付土器」が発見されました。

 遺物の時期は、縄文時代中期中葉、今から約4,500年前のものと思われ、全国的に見ても非常に珍しいもので、全体のほぼ二分の一が残存していたということです。
 大きさは、復元値で高さ43cm、口径24cm、胴径は把手を含めて38cmです。


●遺物の特徴


写真提供:大桑村教育委員会
 樽形をした有孔鍔付土器の胴部に人面装飾がつけられている。
 人面部の径が最大25cmと大きく、顔だけが単独でつけられているなど、全国的にみても非常にめずらしい。
 表情だけでなく造形的にもすばらしく、その希少性からいっても極めて貴重な遺物であるということがいえる。
 有孔鍔付土器については、酒造用の容器であるとか、太鼓の胴体であるとか、諸説があるが、人面や人体文など一般的によく見られる土器とは異なる文様がつけられることが多く、祭祀的な色彩が強い土器といわれている。
 今回の土器もそうした祭祀的な要素を持った例と考えられ、それを裏付けるように赤色の顔料が塗られていた痕跡を部分的にとどめている。
 若干時期は異なるが、よく似た例として諏訪市大ダッショ遺跡、12号住居址出土土器などがある。